今後、大学入試の外国語(英語)試験が大きく変わっていきます。今までの2技能(読む、書く)中心の評価から4技能(聴く、話す、読む、書く)評価に移行します。国公立のみならず多くの私立も「※外部検定利用入試」を導入、「リスニング(聴く)」と「スピーキング(話す)」が強化されます。
共通テストの英語を受験する場合でも、リスニングの配点比率が50%と上がります。さらには、すべての問題音声が2回繰り返されたセンター試験とは異なり、1 回だけしか音声が流れない設問もあるため、早期からのリスニング対策が不可欠です。
このような状況で、やはり「聴く」(リスニング)が苦手で不安を持つ方も多いのではないでしょうか?
・文字に書いてあればわかるんだけど、聴き取りとなるとお手上げ
・何をいっているのかまったくわからない
・英検の2次試験、「面接」が不安
・教材を買ってみたけど上達しない
・どうやって勉強したらいいかわからない
などとお悩みの方も大勢いらっしゃいます。
リスニング能力は身体技能の側面があります。スポーツと同じように、短期間で伸びることはないでしょう。やみくもに努力してもリスニングは上達しません。しかし、自分にあった正しい方法で毎日トレーニングすれば必ず上達します。
このページではリスニングを克服したい方のために苦手な原因と対策、正しい勉強方法を紹介していきます。
リスニングを鍛えると大きなメリットがあります。
リスニング能力が上ればスピーキングも伸びます。英検など外部試験では面接でも力を発揮でき、高い級への合格が望めます。この機会に英会話4技能のコツをつかんでしまえば、受験後の人生でも、留学、職業選択などにおいて有利になりますし、プライベートでも国際的な交友関係が築けます。
このページで紹介する勉強方法はどなたでも取り組めるものです。是非リスニングの苦手意識を払拭し、英語を得意科目にしてしまいましょう!
※外部検定利用入試とは・・・
大学独自の試験では4技能の判定に限界があることから、英検、TEAP、IELTS、TOFEL、TOEIC、GTEC など民間の試験を事前受験し、その結果を提出するもの。大学によって扱いはそれぞれで、外国語試験免除になる場合や、点数が加算される場合、または外部検定の結果提出が出願の条件とされる場合もあります。
リスニングが苦手な原因
原因としては次の4つが考えられます。
・英単語、文法、英語表現の知識が足りない
・リンキング、リダクションなどの英語特有の「音の変化」について知らない
・英語の語順について再確認が必要
・聴き取り→理解へのスピード不足
これらの殆どは「知識」をつけて正しい「作業」を続ければ確実に改善するものばかりです。苦手意識によりネガティブになりがちですが、気持ちを切り替えて楽しく前向きに取り組みましょう。
原因1:英単語、文法、英語表現の知識不足
英語発音を聞き取ることができたとしても、単語の意味を知らなければ回答できません。名詞だけでなく、動詞の変化や動詞の前後の前置詞、それらの組み合わせで作られる表現が豊富にインプットされているべきです。綴りだけでなく発音記号と発音を含めて把握しているか?も大切なポイントです。
原因2:リンキングやリダクションについて知らない
リンキングはリエゾンと表現されることもありますが、単語と単語を切らずにつなげて発音すること。例えば、How are you?は「ハウ アー ユー」と1単語ずつ区切るのではなく、「ハワーユー」と繋げて発音します。リダクションは音の脱落ともいわれます。例えば、Good jobは「グッドジョブ」ではなく「グッジョブ」に聞こえます。でもDの音は聞こえないのではなく「そもそも発音していない」のです。
文字でばかり勉強していたり、学校の授業で教わらなかったりと、これらの知識が不足している人も多いです。リンキングやリダクションなどを意識するだけで、驚くほど英語は聞こえてきます。
原因3:英語の語順に慣れていない
英語は、主語、述語、目的語などの順番が日本語と違います。頭の中で日本語の語順に置き換えてから理解しようとすると、長い文章などは把握しきれなくなってしまいます。
例えば、
私のお母さんが昨日私にくれたペン
重要なのは「ペン」ですね。「私のお母さんが昨日私にくれた」の部分は、どんなペンなのかを説明している部分です。
一方英語は、重要なことを最初に言います。
The pen which my mother gave me yesterday.
まずは、重要な単語「pen」を最初に述べて、後からどんなペンなのかということを「which my mother gave me yesterday.」で説明しています
原因4:スピード不足
英語を頭で一度日本語に直すと効率が悪いですし、疲労していまいます。英語は英語のまま意味を理解できるようにしましょう。たとえば「This is a pen.」は日本語を考えなくても意味を把握できますよね?この感覚を拡張していくわけです。
リスニング克服のための対策
リスニングを苦手に感じてしまう原因をふまえた上で、対策をいくつか紹介します。ただ英語を聞くことを繰り返すよりも、スピーキング、ライティングなどアウトプットの側面からアプローチすると不思議と英語は聞こえてきます。語学学習は長期戦ですので、出来そうなものから少しずつチャレンジしてください。
対策1:音読をする
教科書などの英文を、ネットやCDのお手本の発音を参考に3回音読することをお勧めします。始めは短い文章から、次第に長文にとりくみましょう。小学生が国語の時間に音読をするのと同じです。英語を英語として処理できるようになり英文理解のスピードが向上します。
対策2:シャドーイング(Shadowing)
英文を聞き終わってから発音するのはリピート。単語一つずつを影(shadow)のように追いかける訓練をシャドーイングといいます。「聞く」と「発音する」を同時に鍛えられるのでとても有効です。
対策3:ディクティーション(dictation)
読み上げられる英語を書きとる訓練。速さについていけなかったり、聴き取れない部分が発生しますが、終わってから検証すれば「何が聞き取れていないか」がはっきりわかります。その単語やフレーズを意識すると、次の機会にはかなり聞き取れるようになっています
リスニング克服に役立つツール、アイテム、サービス紹介
リスニング上達のために上手に利用したいツールやアイテム、サービスを紹介します。
音声付き単語帳
単語帳を一冊、常に手元に携行するとよいでしょう。スマホアプリ単語帳などもたくさんあり、迷ってしまいますが、その1冊を相棒として毎日付き合っていけるか?ということです。目標達成のために、単語帳を5~6回こなす人も珍しくありません。精神的な支えとなることもあるでしょう。
英語教材で有名な旺文社の『ターゲット1900』です。いわば「王道」の単語帳です。初版から20年以上、大勢の方に信頼される単語帳です。
「Z会の速読英単語」同じく大学受験の定番です。英文を読むことを通じて英単語を学習します。ストーリーとともに単語を覚えると、忘れにくくなります。単語力と速読力が同時に鍛えられます。
アプリで学ぶ
スタディサプリ
リクルートが提供するオンライン学習サービススタディサプリ。学びの新定番として人気です。
新・共通テスト対策として、高度な音読トレーニング、ディクティーショントレーニングを利用できます。大学受験専門のコースは英語以外の科目も学べ、非常に低価格です。無料体験もできますので、是非試してみたいですね。
スタディサプリについて
CMでもおなじみ、リクルート社のスタディサプリ。大人も学生もスキマ時間に勉強できる優れモノアプリです。受験用のコースのほかにも、英会話学習に役立つコースが多数用意されています。各コースの解説と、口コミ、評判などをまとめました。
シャドテン
シャドーイングに特化し、リスニング力を飛躍的に向上させるアプリです。利用者のレベルと目的にあった課題が毎日届きますので、シャドーイングをして送ると英語のプロフェッショナルから詳細かつ具体的なアドバイスが届きます。受験専門ではないので、高校1,2年生の時期にオススメです。もちろん無料体験もできます。
スクールに通う
ECC外語学院
実教室に通学するタイプの英会話スクールでは、外国人講師と直に対面して学ぶことが出来ます。英語でのコミュニケーション能力が磨かれます。時間も費用もそれなりに必要ですので、外国語大学を受験したい場合などに有効だと思います。
数ある通学型スクールの中で、ダントツでオススメできるのがECC外語学院です。「共通テスト」「外部試験制度」「4技能」などこれからの受験に完璧に対応していますし、学生の将来の可能性を広げ、これからの社会を担うグローバルな人材を育成することを目標としています。
カランメゾットを試してみる
カランメゾットはイギリスで生まれた学習効率とスピードを重視した訓練。通常の4倍のスピードで英会話を習得していきます。英語脳と会話反射能力が鍛えられますが、講師も速いスピードで話してくるので、リスニングも鍛えられます。
オンライン英会話スクールを利用する
受験生の皆さんにとって、4技能重視の中で特にリスニングとスピーキングを鍛え、受験後も実際に使える英会話スキルをみがくのであれば、非常に有効かつコストパフォーマンスがよいのがオンライン英会話です。
オンライン英会話のメリット
・通学・送迎、身支度・準備の時間が節約できる。
・誰にも接触することが無いので感染症予防に有効。
・1レッスン200円未満のスクールもあり、非常に安い。
・スマホでスキマ時間に受講可能、直前まで他の学習ができる。
・毎日受講することもできるので、英語に触れる時間が多くなる。
・外国人の発音に慣れることができる。
・外国人との英語コミュニケーション力がつく。
受験のためのオンライン英会話スクールを選ぶポイント
オンライン英会話は時流に乗って今とても成長している分野、200社以上のスクールがあるといわれ、価格競争も激化しています。1つ1つスクールを調べるのは本当に骨が折れます。このページでは受験リスニング対策に有効かつ良心的なスクールのみを厳選して掲載しています。この中から以下のポイントに注意してご自分に合ったスクールを選んでください。
・英検などの対策に対応しているか?
・ライフスタイルにあっているか?
・他教科の勉強とバランスがとれるか?
・利用者の口コミは?
・無料体験を必ず受講する。
・料金を次月に繰り越したり、家族で分け合えたりできるスクールもあるので確認。
オンライン英会話でリスニングの実力をアップ!
リスニングをはじめ4技能や、英検など外部試験対策はもちろん、大学受験に特化したコースがあるスクールをまとめました。それぞれ無料体験ができます。
エイゴックス
講師陣(ネイティブ・非ネイティブ・日本人)が非常に優秀です。英検に特化したコースもあり、一次試験(筆記&リスニング)だけでなく、二次試験(面接)の対策もできます。
本番に近い状態の模擬テストを繰り返すことにより、緊張せず実力を100%発揮できるようになります。
ウィリーズ英語塾
相性のよい先生を「担任」にすることができ、目標達成まで伴走してくれます。一人では挫折してしまいそうな方に最適です。
大学受験/英検向けの良書を教材にし、リスニング・スピーキングはもちろん4技能レベルアップ。
受験や英検の準備をしながら英会話の力も身に着きます。
産経オンライン英会話Plus
難関大学合格には4技能だけではなく、一般的な社会問題について「自分の考えを述べられる」英語力が必要です。フジサンケイグループが運営なする産経オンラインは、産経新聞のニューストピックを題材にしたレベルの高いレッスンを提供しています。余った料金の繰り越し、家族間分け合いが利用できます。家族で英会話に取り組みたい方、受験だけで終わらない英語コミュニケーション能力を着けたい方に最適です。
Z会Asteria
受験といえばZ会。「Z会Asteria」は、長年の指導実績と最新のテクノロジーから生まれた革新的な学習サー ビスです。リスニングをはじめ4技能すべてをどんどん先に進めます。英検®の早期取得も可能。利用者の口コミでも、「速いリスニングも正確に聞き取れるようになった。」「英検の二次面接で面接官との会話を焦らずにできました。」と好評です。
まとめ
ここでは「大学入試でのリスニング勉強法」について解説しました。
リスニングの上達にはある程度時間がかかります。
まず単語、文法、表現などの基礎知識を得ること,日本語にはない発音ルールを知ることが大切です。そして音読、シャドーイング、ディクティーションなど自分に合った方法をみつけ
他の教科の勉強とバランスをとりながら、短時間でも毎日日課として取り組みたいです。
しかし、やはり一人では迷いや挫折も生じます。
アプリやオンラインスクールを上手に活用して、よい先生と勉強を進めるのは非常に有効です。
冒頭にも記載しましたが、これからの大学入試、外国語試験は大きく変わっていきます。
4技能が重視されていく中、リスニングやスピーキングに不安を感じる受験生も多いでしょう。
しかし「英語(外国語)」は、人生を豊かなものにするためのツールです。受験をよいきっかけとし、受験の先にある生活を想像して前向きにコツコツと取り組むことをお勧めします。